自殺予防ガイドライン For Japan
大切な人の自殺願望に気づいてあげるには?
自殺の危険信号や兆候に気づくことができるようになるには、自殺の主なリスク要因(ストレスとなる出来事や過去の自殺未遂など)を知っておく事が重要です。
自殺の兆候・サイン
急激な気分・行動・又は外見の変化
自殺願望のある人は直接的に口頭、又は書面で自殺の願望や意図を伝える時がありますが、もしそうでない場合は以下の事に注意しましょう
自殺願望のある人の中には身の回りの諸事の整理を順番にし始める事があります
自殺をほのめかすような言動をする
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1つ、もしくは複数の自殺のサインや前兆を出している人や、場合によっては以下のようなサイインを出す人もいます
もし自殺のサインに気づいたら、本人に直接聞いてあげることが大切です
「自殺」という言葉を避けないで。恐怖や否定的な意見を言うのではなく、直接問題を話し合ってあげることが大切です。あなたの自殺の防止に対する自信が本人にも伝わり、不安を減少することができるでしょう。
自殺について話すこと自体が本人の自殺願望を促進してしまうのではないかと心配する人がいますが、それは違います。また、自殺をほのめかす人は本当は自殺なんてしないという考えもあります。もしかしたらその人は今の辛い状況や感情を伝えたいが為に自殺の話をしているかもしれません。
状況の深刻さに気付くには?
本人に自殺を具体的に計画しているかを確かめることが大切です。以下の様に聞いてみましょう。
計画性が強いほど深刻な状況です。しかし、計画性が無いからと言って安全だと保証してはいけません。如何なる自殺願望も真剣に受け取らないといけません。
その他の危険要因:
もし自殺の危険性があると分かった場合、その人を安全を確保してあげる必要があります。
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どうやって安全を確保するの?
自殺願望のある人を一人にしない。本人のソーシャルネットワークを広めて人と関わり合いを持たせる。
可能な時に、自殺の手段になるものを排除する。人によって異なるので、常に自殺の手段になりそうなものに注意しましょう(銃、ロープ、包丁、薬、毒物、灯油など)もし安全が疑われた場合(自殺願望者が銃を手にもっていたり、興奮状態にいるなど)、無理に取り上げようとせずに、警察などの緊急サービスに連絡してください。
本人の親戚、友達や同居人などに、武器や毒物などの自殺の手段となるものが手に入らないように見張ってもらう。自殺を防止するために、一人ではなく誰かと協力して安全を確保しましょう。
安全を確保できたら、次に専門的な支援を受けます。今後また自殺願望を持ってしまった時に、誰に連絡を取ればいいかなどを決める手助けをしてください。
専門的な支援とは?
本人の自殺願望について知っている他者の協力が必要。本人には自殺の願望を秘密にせずに誰かに知ってもらう方が良いということを伝えます;医者、精神科医、心療内科医、家族など。たとえ本人が他者の協力を拒んだ場合であっても、専門家に連絡はするべきです。その場合、本人の安全の為だと説明して下さい。自殺願望を秘密にすることを合意したり協力したりしてはいけません。
自殺願望のある人にどうやって声を掛ければ良い?
思いやりを持って自分が気にかけている、頼って欲しいことを伝えましょう。相手を尊重し、悩みに真剣に向き合ってあげて下さい。あなたの自信は本人にも伝わります。
自殺願望の訴えは、本人が今の辛い気持ちを誰かに伝えたい、助けて欲しいという気持ちの表れでもあり、悩みや苦痛から逃れるための苦し紛れの方法でもあります。そういった辛い気持ちや死にたいと思った理由を吐き出す事ができる環境にしてあげます。人によっては不安感を引き起こしてしまうので、あまり質問をしすぎないようにしましょう。
自殺の考えは精神病が原因による時もあるので、注意が必要です。心の病で苦しんでいないか聞いてあげて、自分は心の病に対して偏見が無いという事を伝えましょう。また自殺願望は治療可能な病気が原因かもしれないということを伝えることで、本人に希望を持ってもらいます。
過去の自殺志願者の支援内容や、それらがまだ利用可能かなどを調べて下さい。
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No-自殺契約
安全の為に、本人と契約を立てましょう。自殺願望を持たない、行動に移さないというお互いの合意の契約です。このNo-自殺契約は、その人が自殺をしないという保証はなく、法的な契約でもありませんが、有益な方法です。契約を結ぶ前に、どう思うかを聞いて本人の意思を確認しましょう。
この契約には、もし本人がこれ以上自殺をしないという契約を守れなくなった場合の安全な連絡先(悩み相談電話、専門家、家族など)も含まれていることが大切です。
最後に
あなたがどれだけ努力しても、その人は自殺をしてしまう場合があります。しかし、大切な人のために常に最善を尽くしてください。
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注意事項
自傷行為について様々な意見があります。自傷行為は人によって自殺の危険性があったり、何週間、何ヶ月、何年間と自傷行為をしていても自殺願望が無い人もいます。自傷行為と自殺未遂を区別することは簡単ではありません。自傷行為をしてる人は皆たとえ自覚がなくても自殺願望があるという考えや、それは人の意図によるものだという考えもあります。それを確認する方法は本人に直接自殺願望があるかを聞くことしかありません。
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